松崎尚也さん 四段審査小論文20201220

合気道の今後の目標

本来武道は、向かってくる敵を制することが目的である。

相手を動けなくする、すなわち無力化すること。最善は、命を取る、つまり殺すことである。開祖は殺伐とした明治、大正、昭和の激動時代に幾多の修羅場をくぐり抜けて来られた。その結論として、殺人技を目的とせず、平和、共生を目的とした境地を目指し、その境地に達された。「対すれば和す」自分を殺そうとやって来た者と、打ち解け共に相和すということという。この思想は、世界中に受け入れられて、広まりつつある。

 柔道も、柔よく剛を制す。精力善用、自他共栄を理念として創始されたが試合をして勝敗を決する道に進んだ結果、創始者の理念とかけ離れてしまったように思われる。

合気道は試合を行わず。もっぱら型稽古を繰り返し繰り返し行う。型は、秘伝の塊であり、非常に危険なものを秘めているようだ。私は、後期高齢者になり、老いるという未知の世界に入ったことで、合気道における技は、ぶつからない柔らかな方向を目指したい。相手に気を合わせ、技を掛けることを目標にしたい。

 次に、相手の呼吸と体に着いていく受け身を目指したい。私は、受けこそ重要と考える。怪我を防ぐためだけではなく、受け身をとることで、掛けられた技の狙う体の部位と、方向、強さ、いろいろな事がわかる。自身の体は柔軟性を増し、血流がより円滑になり、気は爽快になり、回数を増やせば持久力も高まる。なによりも、蹴躓いて足首の捻挫をしなくなったし、転ばなくなった。

 合気道の技は、人によってかなり違うようだ。それは開祖の教えを受けた方々の年代もあるし、体格も違うし、技の解釈の違いもあると推察される。殊に女性への普及は、より安全性を求める技、乃至受けの対応が見られる。しかし、共通して言えることは、どの師範の技も力がぶつからない。

ふわっとした感じで、例えるなら空気に撫でられて、気が付いたら地に転がらされている、という感覚である。故に投げ飛ばされても、とても楽しい。

 

 夢のような目標をもって少ない時間を送りたい。

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コメント: 2
  • #1

    高城 (土曜日, 09 1月 2021 15:57)

    私は初心者でありますが、松崎さんの技に集中された瞬間の気に感銘を受けております。
    自身もより良い気が身につくように、更に学び日常にも身につけていきたいと願います。
    引き続きご指導の程よろしくお願い申し上げます。

  • #2

    松﨑 (土曜日, 16 1月 2021 16:34)

    高城さん、コメントありがとうございます❗自分のことは、自分では分かっているようで、分かって無いです。少なくとも、気持ちのよい感覚で、稽古できていたようで、嬉しくなりました。また、本日の稽古、いろいろ教えて頂き有り難かったです。これからも宜しくお願い申し上げます��取りも受けも共に上達できる稽古が、できて嬉しいです。


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